危険な愛に侵されて。



朝はあんなにも独占欲むき出しの、不安だって口にしていたくせに。

私が祐樹のところに行くかもしれないと。


実際祐樹の男らしい姿を見て、さらにはあんな甘く手を出されて。

戸惑いだけでなく恥ずかしさもあり、照れてしまったのも事実だ。



けれど一応私は雪夜のもの。

祐樹にもちゃんとそのことを伝えたし、拒否したつもり。


“つもり”という言い方はずるく、中途半端かもしれないけれど───


「うん。雪夜の言う通り、大丈夫だった。
本当にありがとう」


ダメだ、今の私。
心が不安定状態で、なぜかムキになっている。

平静を装い満面の笑みを浮かべ、平気そうな雪夜と対抗しようとしているのだ。


いったい私はどうしたいのだろう。

『雪夜を好きではない』と言い切る自信のなかった自分を思い出す。


───違う、きっと自分が弱いからだ。


弱いため、心がグラグラ状態である中途半端な自分が存在するんだ。


どうにかして少し前の自分を取り戻さなければ。

こんな子供みたいに胸が高鳴ったり苦しくなったりする感情、今の私には不必要なのだから。

< 195 / 370 >

この作品をシェア

pagetop