危険な愛に侵されて。
朝はあんなにも独占欲むき出しの、不安だって口にしていたくせに。
私が祐樹のところに行くかもしれないと。
実際祐樹の男らしい姿を見て、さらにはあんな甘く手を出されて。
戸惑いだけでなく恥ずかしさもあり、照れてしまったのも事実だ。
けれど一応私は雪夜のもの。
祐樹にもちゃんとそのことを伝えたし、拒否したつもり。
“つもり”という言い方はずるく、中途半端かもしれないけれど───
「うん。雪夜の言う通り、大丈夫だった。
本当にありがとう」
ダメだ、今の私。
心が不安定状態で、なぜかムキになっている。
平静を装い満面の笑みを浮かべ、平気そうな雪夜と対抗しようとしているのだ。
いったい私はどうしたいのだろう。
『雪夜を好きではない』と言い切る自信のなかった自分を思い出す。
───違う、きっと自分が弱いからだ。
弱いため、心がグラグラ状態である中途半端な自分が存在するんだ。
どうにかして少し前の自分を取り戻さなければ。
こんな子供みたいに胸が高鳴ったり苦しくなったりする感情、今の私には不必要なのだから。