運命の恋~もしもあの時・・~
「そうだよな~。僕も昇進したりして残業が増えたしね。家のことも香澄のことも本当に任せっきりになってたな。ごめん。」

旦那はマグカップ2つにコーヒーを注ぎリビングに運んでくれた。

「コーヒーありがとう。いただきます。」

めったにブラックは飲まないけど飲みやすいようにアメリカンにしてくれてて美味しかった。
美味しいし、湯気が私の顔を覆うから…涙が出てきた。

「り、離婚しましょう。うっ、うぅ…」

口に出してしまったら嗚咽が出てしまうほど
泣いてしまい、それ以上話すことが出来なかった。伝えたいことが沢山あるのに。
そんな私を見てテーブルの向かいに座っていた旦那はこちらにきて私を横から抱きしめた。

「香織ごめんね。そんな言葉を言わせてしまったのは僕だよな。本当にごめんね。覚悟はしてた。きっと離れてみたら僕なんかいなくてもやっていけることに気づくだろうって。僕が悪いんだ。ごめんね。」

しばらく泣いている私を抱きしめていた旦那もきっと泣いていたと思う。
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