運命の恋~もしもあの時・・~
田邉さんもベッドから起き上がって座り水をいっきに半分ほど飲み干した。

「香織、下も着替えるからちょっと出てて。見たければ別にいいけど。」

いつもの田邉さんだ。ニヤニヤと冗談を言う。
私は慌てて脱いだシャツを持って洗面所へ行った。
ドア越しに田邉さんの笑い声が聞こえた。
いつもの田邉さんに少し安心した。そして私は心からみんなが居るべき場所に戻れるよう心から願った。

「香織、着替えたよ。洗濯物置いといて。」

「わかった。夏川くんがしてくれるんでしょ?夏川くん嬉しそうに前話してたもん。」

ハハハッて笑いながら田邉さんはベッドに戻って行った。
やっぱり体調は悪いんだろうな…。

「ねぇ、まだ痛む?病院行かない?」

「いや、大丈夫。実はさっき思い出したことがあるんだ。」

ふーっと横になるとこちらを向く。
私もベッドの横に行くと、田邉さんは手を伸ばし私の頬を撫でる。

< 291 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop