目覚めたら契約花嫁
それだけ言うとダヴィは部屋を出て行った。

ダヴィの淹れてくれた紅茶を飲む。


「本当になぜ私なんだろうか?」


誰もいない部屋に私の声が小さく呟かれた。

シャノワールに来て3日が過ぎだが、安静の為に家から出れていない。

窓から見える景色は手入れされた綺麗な庭が広がっている。

それだけで豪邸なのは理解できる。


「暇だな………。」


部屋で本やテレビ、DVDなどを見ながら時間を潰していた。

それも3日経つと飽きてもくる。

ベッドに寝転んで目を閉じる。

シャノワールに来てからの日々を思い出してみる。

夢としか言えない。

全く知らない国なのに、言葉も文字も普段の生活に支障がない。

知らない国の筈なのに。

何が起きてるの?

そんな事を考えていれば、いつのまにか寝てしまっていた。
< 14 / 146 >

この作品をシェア

pagetop