Love EaterⅡ

流石に錯乱状態からは回復したらしいが、その消沈具合は見たままに。

逃げる気力さえない。

それでも、生気を失った様な双眸には恨み辛みの憎しみがソルトと六花を捉えて滲んで見える。

「取り込めば死に至る猛毒だったのに。そんな風に食べるだなんて持ってのほか。何より……何故、まだそうして瘴気が存在したままなの?」

「……」

「私の魔女の力が無力化された今瘴気だって消滅する筈なのに何故…」

魔女の疑念に関してはソルトも同感だ。

本人が言うのだから実際あの瘴気は猛毒であったのだろう。

なのに六花は害されるどころか平然と食らってみせる。

今も尚それを手にしながら。

食みながら。

そうしてモゴモゴと口を動かしながら「うーん」とひと唸りしてみせてから、

「さあ?」

そんな、なんとも手応えのない答えを響かせるのだ。

藤色の眼差しを泳がせながら。

それにはソルトも呆れと脱力のダブルパンチでよろめきつつ。

「おっ…まえ…」

「いやだって本当によくわかんないんだもん」

「よくわかんねえもんを食うな!!毒だぞ!?ペッしなさい!ペッ!」

「えええ〜、やだぁ。だってこんな甘くて美味しいの初めてなんだもぉん」

「毒だっつってんだろ!?いくらお前が規格外のイカれた身体して神経鈍かろうが遅れて毒まわったらどうすんだ!!」

「ぬあっ!!可愛い恋人サラッとど失礼な言葉で貶したな!?」

「かっわいい恋人は猛毒の瘴気をわたあめにして食ったりしねえんだよ!ボケッ!」

「……今すぐキスぶちかまして屠ってやろうか?この猛毒キッスで」

「洒落にならんわっ!ってか、マジになんともないのかよ?」

「ん〜?ぜーんぜん?寧ろ…なんか満たされていつもより調子いいよ。…まあ、確かに瘴気に飛び込んだ瞬間は一瞬苦しいって感じた気がするんだけどね」

「ほらやっぱり!」

「でも、次の瞬間にはなんかじんわり身体が熱くなって気がついたらあっまい甘い。あんまり美味しくてわたあめにしちゃったくらいに」

「………でたよ。規格外未確認生物少女」

「あっはは〜人間でない上にまともな魔女でもない生き物でごめんねぇソルト〜」

「あ〜、もういいよ。魔女でも未確認生物でも、お前だってならそれでいいわ」

本当、それでいい。


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