貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「まぁ、そんなことが」
というのは弘徽殿の女御。
「驚いたよ。宮中であんなみっともない女官を見たのは初めてだ」
「そんなことを言うものじゃないわ。転んだものは仕方ないじゃないの」
「いや、あれは素が下品なだけだ。藤盛の少将といえば変わり者で通っている。女官の面接の時にはいきなり床に這いつくばって腕の力を見せたりしたんだよ? 下品なことこの上ない。あの者には物の怪が憑りついているという噂まである」
「まあ、物の怪が」
「私は反対したんだ。あんな者を宮中に入れるなどもっての外だとね。でも李悠はあのくらい強い子がいいと言うし、頭中将は笑っておもしろいじゃないかと言うし、蒼絃が物の怪など憑いていないと保証するって言うからね。仕方なく了解したけれど、私は今でも後悔しているよ。反対するべきだった」
というわけで、小耳に挟んだのは他ならぬ自分の悪口だった。
しかもちょっとやそっとの悪口ではなく、月君は滔々と語っている。
だが、そこで落ち込むわけではなく、腹を立てるのが花菜だ。
――あいつめ! 私だけならまだしも、お父さままで馬鹿にして!
絶対に許さないわっ!
とは言っても自分の立場では許すも許さないもないが、それでも花菜は深く心に誓った。
というのは弘徽殿の女御。
「驚いたよ。宮中であんなみっともない女官を見たのは初めてだ」
「そんなことを言うものじゃないわ。転んだものは仕方ないじゃないの」
「いや、あれは素が下品なだけだ。藤盛の少将といえば変わり者で通っている。女官の面接の時にはいきなり床に這いつくばって腕の力を見せたりしたんだよ? 下品なことこの上ない。あの者には物の怪が憑りついているという噂まである」
「まあ、物の怪が」
「私は反対したんだ。あんな者を宮中に入れるなどもっての外だとね。でも李悠はあのくらい強い子がいいと言うし、頭中将は笑っておもしろいじゃないかと言うし、蒼絃が物の怪など憑いていないと保証するって言うからね。仕方なく了解したけれど、私は今でも後悔しているよ。反対するべきだった」
というわけで、小耳に挟んだのは他ならぬ自分の悪口だった。
しかもちょっとやそっとの悪口ではなく、月君は滔々と語っている。
だが、そこで落ち込むわけではなく、腹を立てるのが花菜だ。
――あいつめ! 私だけならまだしも、お父さままで馬鹿にして!
絶対に許さないわっ!
とは言っても自分の立場では許すも許さないもないが、それでも花菜は深く心に誓った。