貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
時間ぎりぎりまで、この色ではどうとか言いながら、あれやこれやと騒いでいただけあって、女官たちの色とりどりの袖が御簾の下から零れて並ぶさまは、それはそれは華やかであった。
後ろのほうからではあったが、花菜も感動を持って管弦を楽しむことが出来た。
でも途中、花菜はひとり静かにその場を離れた。
なにかが心で疼き、言い知れぬ寂しさに襲われたのだ。
その理由はなんだろう?と、思う。
他の女官たちのように、ころころと着ぶくれするほどの着物を着る余裕がないからだろうか?
違う。
羨ましいと思う気持ちは、それほど強くはない。
――お母さま、小鞠。みんなどうしているかしら?
もうすぐお正月。
年越しはいつも、家族で迎えたんだわ。
でも今年はしばらく帰れそうもない……。
母が用意してくれた衣に手を触れながら思う。
着物に焚き込められた香りは、母の好きな匂い。
寂しさの原因はホームシックなのか。
後ろのほうからではあったが、花菜も感動を持って管弦を楽しむことが出来た。
でも途中、花菜はひとり静かにその場を離れた。
なにかが心で疼き、言い知れぬ寂しさに襲われたのだ。
その理由はなんだろう?と、思う。
他の女官たちのように、ころころと着ぶくれするほどの着物を着る余裕がないからだろうか?
違う。
羨ましいと思う気持ちは、それほど強くはない。
――お母さま、小鞠。みんなどうしているかしら?
もうすぐお正月。
年越しはいつも、家族で迎えたんだわ。
でも今年はしばらく帰れそうもない……。
母が用意してくれた衣に手を触れながら思う。
着物に焚き込められた香りは、母の好きな匂い。
寂しさの原因はホームシックなのか。