貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「なによ、極貧だって意地があるわ」

『信用しろよ。俺が頂戴する物は、自分が贅沢したいだけの為に農民やら周りの人々を苦しませる悪い奴らからせしめた物だけだ。それにお前にあげた着物は盗んだ物じゃない』

「ほんとうに? つい最近も人鬼丸っていう盗賊が少納言さまの邸から金銀財宝を根こそぎ持っていったって噂よ」

『根こそぎ?大袈裟な。少納言の家から盗んだのは東国の商人を騙して手に入れた砂金だけだ。商人に返してあげて、俺が手に入れたのは、お礼にともらった分だけさ』

「そうなの?」

『世間じゃまるで俺が極悪人みたいに言っているが、奴らが悔し紛れに、大げさに騒いでいるのと、俺の名を語る他の盗賊のせいだ。だから俺は必ず理由を書いた書置きを残して、同じ物を検非違使にも送っている。だから検非違使も、本気では俺を探さない』
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