貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「それは私が女御に差し上げた物だ。それを何故にお前が持っているんだ? まさかお前それを」
――は? 盗んだとでも言いたいの?!
なんて失礼な男だろう。
どこまで私をバカにすれば気が済むの?
口にはしなかったが、その分キリキリと睨んでプイッと横を向いた。
――こんな嫌な奴、相手にするだけ無駄よ。
言い返せる立場ではないのが悔しいが、無視することはできる。
ツンと顎を上げてそのまま前に進もうとすると、
「おっとっと」
着物の裾を踏まれていた。
「なんだ! その態度は」
そっくりそのままお返ししますよーと心の中で返し、ますます睨み返した。
その場に居合わせた女房たちは、開いた口が塞がらず、ただただオロオロと狼狽えるばかりだ。
「許さんっ! 返せっ!」
「きゃあ」
と、その時、騒ぎに気づいた女御が顔を出した。
女御の目に映ったのは、唐菓子の包みを取り上げようとしている月君と、必死に抵抗をしている花菜。
――は? 盗んだとでも言いたいの?!
なんて失礼な男だろう。
どこまで私をバカにすれば気が済むの?
口にはしなかったが、その分キリキリと睨んでプイッと横を向いた。
――こんな嫌な奴、相手にするだけ無駄よ。
言い返せる立場ではないのが悔しいが、無視することはできる。
ツンと顎を上げてそのまま前に進もうとすると、
「おっとっと」
着物の裾を踏まれていた。
「なんだ! その態度は」
そっくりそのままお返ししますよーと心の中で返し、ますます睨み返した。
その場に居合わせた女房たちは、開いた口が塞がらず、ただただオロオロと狼狽えるばかりだ。
「許さんっ! 返せっ!」
「きゃあ」
と、その時、騒ぎに気づいた女御が顔を出した。
女御の目に映ったのは、唐菓子の包みを取り上げようとしている月君と、必死に抵抗をしている花菜。