貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
――ふん。
女御さまの胃袋を掴んだ私の勝ちよ。
弘徽殿を出ると、そっと包みを解いて中のお菓子を確認した。
――うわっ。
追加でも貰った唐菓子もまた花菜の大好物である。
スパイシーな香料が効いていてそれほど甘くないこのお菓子は、自分では到底作れない手の込んだ物だ。
夜、仕事がひと通り片付いたところで、緑子と唐菓子を分け合った。
「月君と喧嘩?」
「違うわよ、私が一方的に月君に責められたの」
「でも睨んだんでしょう?」
「そうだけど、盗んだみたいな言い方をするのよ? 酷いわ」
「信じられないわ。あの月君とお話をしたっていうだけでも凄いのに、喧嘩だなんて花菜、あなたって本当に怖いもの知らずよね」
「だって、私なにも悪いことはしていないもの」
女御さまの胃袋を掴んだ私の勝ちよ。
弘徽殿を出ると、そっと包みを解いて中のお菓子を確認した。
――うわっ。
追加でも貰った唐菓子もまた花菜の大好物である。
スパイシーな香料が効いていてそれほど甘くないこのお菓子は、自分では到底作れない手の込んだ物だ。
夜、仕事がひと通り片付いたところで、緑子と唐菓子を分け合った。
「月君と喧嘩?」
「違うわよ、私が一方的に月君に責められたの」
「でも睨んだんでしょう?」
「そうだけど、盗んだみたいな言い方をするのよ? 酷いわ」
「信じられないわ。あの月君とお話をしたっていうだけでも凄いのに、喧嘩だなんて花菜、あなたって本当に怖いもの知らずよね」
「だって、私なにも悪いことはしていないもの」