貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「それじゃあまるで、姉を取られて悔しがる子供じゃないか」
呆れたように頭中将はため息をつき、蒼絃はクスッと口角をあげる。
「そういえば、さっき彼女とすれ違ったが、何か甘い香りのする物を盆の上に乗せて歩いていたな。弘徽殿の方に行くようだったが」
「ああ、それなら彼女が作った菓子だろう。最近は女御に頼まれて菓子を作ったりもするらしい」
通常、貴族の姫というのは邸の奥深くにいて使用人たちにかしずかれて暮らしているものである。
食事の用意などする姫など聞いたことがない。
「料理なんてするのか? 仮にも貴族の姫なのに?」
それまで黙って、時折微笑むだけだった蒼絃が、ゆっくりと口を開いた。
「花菜姫が作るものは、どれも素晴らしく美味しい。味だけでなく見た目も個性的で類を見ない」
呆れたように頭中将はため息をつき、蒼絃はクスッと口角をあげる。
「そういえば、さっき彼女とすれ違ったが、何か甘い香りのする物を盆の上に乗せて歩いていたな。弘徽殿の方に行くようだったが」
「ああ、それなら彼女が作った菓子だろう。最近は女御に頼まれて菓子を作ったりもするらしい」
通常、貴族の姫というのは邸の奥深くにいて使用人たちにかしずかれて暮らしているものである。
食事の用意などする姫など聞いたことがない。
「料理なんてするのか? 仮にも貴族の姫なのに?」
それまで黙って、時折微笑むだけだった蒼絃が、ゆっくりと口を開いた。
「花菜姫が作るものは、どれも素晴らしく美味しい。味だけでなく見た目も個性的で類を見ない」