貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「それにしてもさすがに疲れたな」
頭中将と共に、各々が揃って軽い溜息をつく。
途中、軽い食事と仮眠する時間はあったが、半日以上続く実に長い会議だった。
さすがに若い彼らでも疲れるし、うんざりとするものがある。
ふと、外の賑わいが車の中にも響いてきた。
「あやまれー」
「負けるなよ、姉ちゃん!」
やいのやいのと囃し立てる男女の声が近づくと共に、ギィーと音を立てて牛車が止まる。
「どうした?」
「橘家の者と女が揉めておるようで。行く手を塞いでおりまする」
「女?」
車の中から覗くと、輪の中心にはなるほど、橘家の者と市女笠を被った女が睨み合っているようだ。
「女子供相手に、恥ずかしくないの!」
市女笠の女の声が響き、「そうだそうだ」と野次馬の声が続く。
それを聞いて藤原蒼絃がクスッと笑った。
「私はここで降りる。あの子たちを送ってくるよ」
「知り合いなのか?」
蒼絃は笑って頷くと、牛車を降りた。
頭中将と共に、各々が揃って軽い溜息をつく。
途中、軽い食事と仮眠する時間はあったが、半日以上続く実に長い会議だった。
さすがに若い彼らでも疲れるし、うんざりとするものがある。
ふと、外の賑わいが車の中にも響いてきた。
「あやまれー」
「負けるなよ、姉ちゃん!」
やいのやいのと囃し立てる男女の声が近づくと共に、ギィーと音を立てて牛車が止まる。
「どうした?」
「橘家の者と女が揉めておるようで。行く手を塞いでおりまする」
「女?」
車の中から覗くと、輪の中心にはなるほど、橘家の者と市女笠を被った女が睨み合っているようだ。
「女子供相手に、恥ずかしくないの!」
市女笠の女の声が響き、「そうだそうだ」と野次馬の声が続く。
それを聞いて藤原蒼絃がクスッと笑った。
「私はここで降りる。あの子たちを送ってくるよ」
「知り合いなのか?」
蒼絃は笑って頷くと、牛車を降りた。