貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
「小鞠、嗣爺! 私、宮中に行くわ!」

「姫さま……」

寂しいという言葉を我慢しているのだろう。小鞠は涙で目が潤んでいる。

「ごめんなさいね、小鞠。お休みの度に帰ってくるから」

すっかりお別れモードのふたりの横で、「ですが姫さま」と、最もなことを言いだしたのは嗣爺だ。

「まずは試験に受かりませんと」

 ハッとしたようにふたりは振り返る。

「そ、そうよね。ほんとよ。何か足りないところはあるかしら」

うーんと考えて、思い立ったことがあるのだろう、花菜は両手を口に当てて大きく目を見開いた。

「あ! 大変、私、琴はあまり上手じゃないわ」

貴族の姫として琴が上手じゃないことは、確かに減点だろう。

でも、琴の演奏は女官として必要なことなのか?
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