貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
なるほど、言われてみれば、そうだった。結構多くの女性達が歩く事すら苦労しているようだったのである。

それもそうだろう。姫は屋敷の奥で、使用人にかしずかれて生活しているのである。

上級貴族の姫はいないかもしれないが、それでも姫は姫だ。花菜の家のように使用人が少ない家はそうそういないだろうし、働く姫などいるわけもない。
当然体力はないだろう。

女官の正装は十二単。重ねて着る分、結構な重さがある。

実際に十二枚重ねて着るわけではないが、それでも重たい着物を引きずって歩くのはそれなりの体力がないとすぐに疲れてしまう。

ふと、隣の女性が言った。

「今回の募集は、宮中で流行っている病のせいらしいわね」

「流行り病?」

花菜には初耳だった。
なにしろ彼女は庶民の噂なら耳にすることはあっても、宮中で起きていることなど知る機会もないのだから。
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