貧乏姫でもいいですか?(+おまけ)
筆記試験は予想以上に簡単なもので、有名な漢詩をかな文字で書くだけのことだった。

「あちらへお進みください」
係りの女官が花菜の札の番号を確認しながら、行き先を告げる。

受験生それぞれの移動先が分かれていて、花菜が次の移動先に落ち着いて座った時には、随分と人が減っていた。

「これから皆さんは、面接試験を受けて頂きます。一人ずつになりますので、番号を呼ばれるまでこちらでお待ちください」

係りの女官が消えると、あちらこちらから囁き声が聞こえ始めた。
どうやら、ここは私語厳禁ではないらしい。

「随分と減ってしまったわね」

「筆記試験だけじゃなくて、移動するうちにも振り分けられていたのだと思うわ」

「え? そうなのですか?」

思わず花菜が話に参加すると、隣にいた女性が耳打ちしてくれた。

「気絶してしまった子はもちろん、移動が辛そうな人も、別の部屋に案内されていたわよ」
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