桜の城のノクターン
うっ、と怯むフェニルに紹介屋はさらに追い討ちをかける。
「どうしますぅ~?」
「き、今日はお気持ちだけ受け取っておきます…報酬は、次回リズ様と一緒に来たときにいただきます。今日、これからキーナさんのお宅へ伺うので、報酬の件についても今日お話しておきますので、ご心配なく」
少々尻込みしながらも、最後は笑顔で締めくくる。
「そうですかぁ~?」
紹介屋は少し残念そうに金庫をしまう。
「それはそうと~フェニルさんはキーナさんのお宅に厄介になるんですかぁ~?」
ドコから仕入れた情報か、この話もすでに知っているらしい。
フェニルはここで結論を言うべきか逡巡した。