桜の城のノクターン


「さて、キーナ様は言い値を払いなさいと言っておられましたが、いくらになさいますか?」


。。。質問の意味をよく反芻する。

・・・言い値・・・


「言えるわけないじゃないですかっ!!」

「そうですかぁ?意外と皆さんいいますよぉ~?」


フェニルの方が意外というように、紹介屋は金庫の中を覗く。


「まぁ、皆さん常連さんですから~、相場はきちんとお解かりですので、変なことはおっしゃいませんねぇ。次の仕事に差し支えますからぁ~」


そういって微笑む姿は、どす黒いオーラを放っているようだった。


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