君は僕のもの 【続】
……あ。
コレって今日の朝に見た様な気がするんだけど。
愛梨を後ろから抱える様にして単細胞翔太が落とした“手紙”らしきそれを見る。
「…ねぇ!樹これって……」
後ろを振り向く様に俺の顔を覗いて愛梨が困ったような顔をする。
「うん」
短く返してから目の前の翔太を見る。
ショックを隠しきれない…みたいな顔してる。
多分、早川から伝えられた衝撃の事実を受け入れられない、というか信じられないらしい…
普通に考えても前にチョコ入れたりしたんだから予想ぐらいできるだろうが、それに宛名も違うし。
「ま、まさか…!!
おまっ!!お前また俺ん所に入れたのかぁーー!?!?」
「入れた」
……。
「んだよ…もしかしたらそうかなぁとか思ったけどよ~」
不貞腐れたように翔太は言う。
チッと舌打ちまでして。
「ま…まぁさ?
気を取り直して、ね?」
この場の空気を和ませるように引き攣る笑みを浮かべて愛梨は言う。
俺の腕からスッと身を抜きながら床に散らばる俺宛の恐ろしいソレを手にとって拾っていいく。
「あれ…?」
すると愛梨の手が急に止まる。
「どうしたの?」
「…こ、これっ」