君は僕のもの 【続】
そう言って愛梨が俺に差し出したのは一枚の手紙。
それがどうしたの?
そう言いたげな俺の表情。
それを見て愛梨は言葉を繋げた。
「これだけ宛名が…“翔太くん”になってるの」
へぇ……
すると不貞腐れて教室から出ていこうとしてた翔太の身体がピクリ。
近くにいる早川の表情もピクリ。
早川としては多分…
さっきも手紙のことで浮かれてる翔太に困ってたらしいし。
けどその手紙。
何だかんだ俺宛で安心してたんだろうな…
「嘘、嘘っ!?」
振り返った単細胞の顔は緩みっぱなし。
それに。
早川のこと、考えてやればいいのに少しは…
とか人の心配。
「嘘じゃないよ!…ホラ、ね?」
表裏に何度かして愛梨は確認させる。
心なしか愛梨も嬉しそう。
「どれどれ……っ!」
そう言って翔太が手紙の封筒から中身を取り出そうとした。
…その時だった。