君は僕のもの 【続】




甘過ぎるって程の匂いがあたしを包んで。


あたしも同じように翔太くんのことを抱きしめ返した。



何だかいつもこんな感じかもしれないなぁ…

お兄ちゃんみたいで、弟みたいで。


翔太くんは何だかあたしにとって兄弟みたいな存在に近いのかもしれないなぁ。



「愛ちゃん俺の姉ちゃんみたいだね」


ポツリと翔太くんは呟いた。


「それ…あたしも今思ってた」

クスッと笑う。


そうすれば『やった!同じっ』とハニカンであたしにニッと白い歯を見せてくれた。


「来年もまた同じクラスがいいね」

「そうだね…」


心地好い風が吹いて二人で目を細める。


「良い天気だねぇ…」

「そうだね」


翔太くんは、そうだねしか言わなかったけど。

それでも心地よかったなぁ。


「俺、もっと大人になるよ…

愛ちゃん」


何かを決意したような顔。


「…ん?」

「俺…頑張るから!見ててっ!!」


そう言うと突然サッと立ち上がる。


……!?



それと同じくらいに少し離れた屋上の扉が開いた。


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