君は僕のもの 【続】
「泣かないで…?」
翔太くんの背中を摩ってあげる。
「見た目とか性格も、樹には敵わねぇし…っ」
あたしに顔を見られたくないのかもしれない。
翔太くんは俯いたまま顔を上げようとしなくて、でも肩は小刻みに震えている。
でも手はギュッと握ったまま。
「でも美菜ちゃんに嫌われたくないーーっ!」
駄々をこねる子供みたいに。
あたしの腕を掴んでどんどん強く握る。
「けど俺……ガキっぽいよね」
「…大丈夫だよ!それは翔太くんの良いところだもん」
ニコッと笑う。
「本当に?」
やっと顔を上に上げて目と目が合う。
目が潤んでて…
犬っぽさに磨きが掛かってる。
本当に可愛い顔してるよねぇ…
っと!!
危ない危ない。
「うんっ。本当」
「…そっかぁ、
愛ちゃんは優しいよね」
濡れた睫毛で。
けど微かに笑って。
「ありがとう…」
ギュッとあたしのことを抱きしめた。