君は僕のもの 【続】
その場の空気がシーン…と。
風が吹き抜ける様に、沈黙と言うか音が一瞬この世から消えて無くなる感覚。
「なっ?!な…」
口をあんぐりと開けたまま美菜はかなり驚いてて。
あたしも同様口を半開きにさせている。
け…結婚?!?!
ど、どういう発想からそういう方向に進むって言うの!?
もしかしたら翔太くんの言った『頑張る』って言葉は…こういう意味だったんじゃ……?
「お前、アイツに何吹き込んだんだよ」
驚いた顔をしたのもつかの間。
また面白おかしそうに樹はケラケラとさっきよりは大きく笑いだす。
けどそれを注意するどころか…
今はそんなことにまで頭を働かせることは不可能に近い。
結婚って、!
何か若いうちに結婚はするとかしないとか…確かに言ってたけど!!
「あ、間違った…卒業したら俺と結婚してほしい!」
「卒業、したら?」
間の抜けた美菜の声。
「うん…絶対に幸せにするから。
誰よりも絶対絶対、美菜を幸せにするよ」
いつものふざけた雰囲気はそこには微塵も感じられない…
けど、急な発言の数々にあたしは頭が付いていかない。
「……そんなこと言って、
アンタずっと美菜のこと好きでいるか分かんないじゃない」
照れ隠しのような美菜の表情と言葉。
「俺が美菜ちゃんを嫌いになることなんてあり得ないから…絶対に無い!!
だって俺、美菜ちゃん居なきゃ死ぬもん」
平然とそんな台詞を言ってみせる。