闇の果ては光となりて
美味しそうな匂いが充満するキッチン。
カレーはあっと言う間に煮込まれ出来上がる。
運んでくれるのは谷本さんが呼びつけた下っ端君達。
元気一杯の中学生4人組だ。
「神楽ちゃんの作ってくれたカレーだから、ひっくり返したりすんじゃねぇぞ」
谷本さんは低い声で脅しをかける。
「「「「了解です」」」」
緊張した面持ちで元気の良い返事をした4人組が、2人ずつに別れ大きな鍋を手にキッチンを出て行った。
「俺達も行くっすか」
エプロンを外しながら充希が声をかけてくる。
「うん、そうだね」
「光さん辺りが待ちくたびれてそうだな」
隣でニシシと笑うのは、谷本さん。
「あ···それっぽいね」
肩を竦めフフフと笑った。
光も手伝うとキッチンに押し掛けて来たんだけど、手伝いと言うよりは邪魔になったので、退場してもらったのだ。
もちろん、外の準備の監修をお願いする事は忘れてない。
お祭り騒ぎする若者は、悪ふざけが大好きなのでしっかりと見張っておいてもらうに越したことはないからね。
キッチンを出て1階のホールに向かうと、いつもなら大勢の人が溢れるその場所には誰も居なくなっていた。
全開に開けられたシャッターの向こうから聞こえてくる賑やかな声に、全員が飯盒とテーブルなどの設営に向かったんだろうと予想した。
「ご飯を食べる前から異様な盛り上がりになってるな」
「うちの連中は馬鹿騒ぎが好きっすからね」
「それにしても、60人分のご飯を炊く飯盒がよくあったね?」
谷本さんと充希の会話に交じる。
「ああ、それは、夏にチームでキャンプとか海水浴とかするんすっよ」
「総長んちの別荘の近くの海なんですけどね」
「へ〜楽しそう」
「今年は神楽ちゃんも参加っすね」
ニカッと笑った充希、頭の鉢巻取り忘れてるよ。
屋台のお兄さんみたいだ。
それにしても総長の家はお金持ちなんだね。
ここの倉庫も総長の家の持ち物だって言ってたし。
総長って、もしかしなくてもお坊ちゃんなのかな。
本人には怖くて絶対に聞けないけどね。
「今から楽しみ」
充希の言葉に頷いて、初体験になるキャンプに思いを馳せた。
家族でキャンプなんてする事はなかったもん。
夏の海なら、色んな遊びができて楽しそうだな。
野良猫に居たら、今まで経験出来なかった事を沢山経験できそうな気がした。
今から凄く楽しみだ。
遠足前日の子供の様な気持ちで胸を躍らせ、私は外へと向かった。
カレーはあっと言う間に煮込まれ出来上がる。
運んでくれるのは谷本さんが呼びつけた下っ端君達。
元気一杯の中学生4人組だ。
「神楽ちゃんの作ってくれたカレーだから、ひっくり返したりすんじゃねぇぞ」
谷本さんは低い声で脅しをかける。
「「「「了解です」」」」
緊張した面持ちで元気の良い返事をした4人組が、2人ずつに別れ大きな鍋を手にキッチンを出て行った。
「俺達も行くっすか」
エプロンを外しながら充希が声をかけてくる。
「うん、そうだね」
「光さん辺りが待ちくたびれてそうだな」
隣でニシシと笑うのは、谷本さん。
「あ···それっぽいね」
肩を竦めフフフと笑った。
光も手伝うとキッチンに押し掛けて来たんだけど、手伝いと言うよりは邪魔になったので、退場してもらったのだ。
もちろん、外の準備の監修をお願いする事は忘れてない。
お祭り騒ぎする若者は、悪ふざけが大好きなのでしっかりと見張っておいてもらうに越したことはないからね。
キッチンを出て1階のホールに向かうと、いつもなら大勢の人が溢れるその場所には誰も居なくなっていた。
全開に開けられたシャッターの向こうから聞こえてくる賑やかな声に、全員が飯盒とテーブルなどの設営に向かったんだろうと予想した。
「ご飯を食べる前から異様な盛り上がりになってるな」
「うちの連中は馬鹿騒ぎが好きっすからね」
「それにしても、60人分のご飯を炊く飯盒がよくあったね?」
谷本さんと充希の会話に交じる。
「ああ、それは、夏にチームでキャンプとか海水浴とかするんすっよ」
「総長んちの別荘の近くの海なんですけどね」
「へ〜楽しそう」
「今年は神楽ちゃんも参加っすね」
ニカッと笑った充希、頭の鉢巻取り忘れてるよ。
屋台のお兄さんみたいだ。
それにしても総長の家はお金持ちなんだね。
ここの倉庫も総長の家の持ち物だって言ってたし。
総長って、もしかしなくてもお坊ちゃんなのかな。
本人には怖くて絶対に聞けないけどね。
「今から楽しみ」
充希の言葉に頷いて、初体験になるキャンプに思いを馳せた。
家族でキャンプなんてする事はなかったもん。
夏の海なら、色んな遊びができて楽しそうだな。
野良猫に居たら、今まで経験出来なかった事を沢山経験できそうな気がした。
今から凄く楽しみだ。
遠足前日の子供の様な気持ちで胸を躍らせ、私は外へと向かった。