闇の果ては光となりて
勉強に集中してるとあっと言う間に、放課後は来る。
進学校の授業はそれだけ過密に進められるのだ。
委員会のあるツッキーと別れ、佐田君に送られて校門にやって来るとそこには迎えに来たコウの姿があった。
どうやら霧生じゃないらしい。
残念な様な良かったような複雑な気持ちのまま、歩みを進めた。
コウはキャーキャー騒ぎながら自分を遠巻きに見つめる女子達に、嫌悪を露わにイライラしている様だ。
「コウ、お待たせ」
「神楽、おっせぇよ」
そう言いながらも私を見てホッとしてるコウに笑いが漏れる。
「幸之助君、お疲れ様です」
佐田君が丁寧に頭を下げる。
「おう佐田、ご苦労さん。もう帰っていいぞ」
「はい。じゃあ、失礼します。神楽ちゃん、また明日」「うん、ありがと」
ニコッと笑って手を振ってくれた佐田君に手を振り返す。
彼は今日、溜まり場には来ないらしい
「迎えは霧生じゃないんだね」
今までは、一日の送り迎えは同じ人がやってくれてたから、コウだったのを不思議に思った。
「俺だったら嫌なのかよ」
「えっ、そうじゃないけど」
「霧生は···ちょ、ちょっと野暮用だ」
言いにくそうにコウが言ったその一言で、霧生が彼女の元へ行ったんだと分かった。
「あ、うん、そっか」
私より彼女を優先するのは仕方ないって納得してるのに、キシッと胸の奥が嫌な音をたてた。
「まぁ···あれだ、その、今日は俺様がアイスを奢ってやる。前に約束したからな」
元気付けるようにポンと肩を叩かれた。
「あ、覚えてたんだ?」
「当たり前だろうが。男は一度した約束は反故にはしねぇ」
「フフフ、そっか。じゃあ行こ」
「ああ。ほら、ヘルメット被って後ろに乗れ」
コウはハンドルに掛けてあった私のヘルメットを頭に被せると、愛車のタンデムを見た。
コウのバイクはホンダCBX400Fのハイシート仕様。
真っ赤なテールカウルとロケットカウル特徴の黒赤ツートンのバイク。
「コウのバイクは安定感無いから乗りづらいんだよね。ビックスクーターじゃないし」
「はぁ? お前ね。特攻隊長がビックスクーターで特攻とかカッコつかねぇだろうがよ。機動力と瞬発力を活かすにはこいつが一番なんだよ。分かってねぇな」
なんだか、すごく馬鹿にされたような気がする。
バイクの事なんて知るもんか。
私にとっては乗り心地が一番なんだもん。
「車高が高いから乗りにくいなぁ」
文句を言いつつ、タンデムに跨った。
スカートの裾をお尻に敷いて、ひらひらの防止は忘れない。
進学校の授業はそれだけ過密に進められるのだ。
委員会のあるツッキーと別れ、佐田君に送られて校門にやって来るとそこには迎えに来たコウの姿があった。
どうやら霧生じゃないらしい。
残念な様な良かったような複雑な気持ちのまま、歩みを進めた。
コウはキャーキャー騒ぎながら自分を遠巻きに見つめる女子達に、嫌悪を露わにイライラしている様だ。
「コウ、お待たせ」
「神楽、おっせぇよ」
そう言いながらも私を見てホッとしてるコウに笑いが漏れる。
「幸之助君、お疲れ様です」
佐田君が丁寧に頭を下げる。
「おう佐田、ご苦労さん。もう帰っていいぞ」
「はい。じゃあ、失礼します。神楽ちゃん、また明日」「うん、ありがと」
ニコッと笑って手を振ってくれた佐田君に手を振り返す。
彼は今日、溜まり場には来ないらしい
「迎えは霧生じゃないんだね」
今までは、一日の送り迎えは同じ人がやってくれてたから、コウだったのを不思議に思った。
「俺だったら嫌なのかよ」
「えっ、そうじゃないけど」
「霧生は···ちょ、ちょっと野暮用だ」
言いにくそうにコウが言ったその一言で、霧生が彼女の元へ行ったんだと分かった。
「あ、うん、そっか」
私より彼女を優先するのは仕方ないって納得してるのに、キシッと胸の奥が嫌な音をたてた。
「まぁ···あれだ、その、今日は俺様がアイスを奢ってやる。前に約束したからな」
元気付けるようにポンと肩を叩かれた。
「あ、覚えてたんだ?」
「当たり前だろうが。男は一度した約束は反故にはしねぇ」
「フフフ、そっか。じゃあ行こ」
「ああ。ほら、ヘルメット被って後ろに乗れ」
コウはハンドルに掛けてあった私のヘルメットを頭に被せると、愛車のタンデムを見た。
コウのバイクはホンダCBX400Fのハイシート仕様。
真っ赤なテールカウルとロケットカウル特徴の黒赤ツートンのバイク。
「コウのバイクは安定感無いから乗りづらいんだよね。ビックスクーターじゃないし」
「はぁ? お前ね。特攻隊長がビックスクーターで特攻とかカッコつかねぇだろうがよ。機動力と瞬発力を活かすにはこいつが一番なんだよ。分かってねぇな」
なんだか、すごく馬鹿にされたような気がする。
バイクの事なんて知るもんか。
私にとっては乗り心地が一番なんだもん。
「車高が高いから乗りにくいなぁ」
文句を言いつつ、タンデムに跨った。
スカートの裾をお尻に敷いて、ひらひらの防止は忘れない。