レンズの向こう、ホントの気持ち
でも、私の意識は、すぐに現実に引き戻された。

メガネを外される感覚と、『可愛い顔してんじゃん』という声と共に。

メガネを外された事に気が付き、眠気は一瞬にしてどこかに消えた。

目を開き、メガネを・・・

は?人の顔? 

すぐには理解できなかったが、やっと脳が追いついた。

私の顔の目の前に、男の顔がある。

しかも、いわゆるイケメンに分類されるであろう顔が。

ん?かなりおかしい状況じゃん。

『あ、起きた』

待て、メガネが先だ。

いや、もう顔見られてるか。

『どーも。』

「ちょ、近いです!!あと、メガネ返して下さい!」

『あ、ごめんごめん!はい、メガネ。』

「あの、すいません、どちら様でしょうか?」

会ったことある人だったら申し訳ないなぁ

『それは秘密。』

「はい?なんで秘密にする必要があるんですか?」

『うーん。それもそうか。どうやら君は同類みたいだし』

『俺、一年C組木城凉。』







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