相思相愛ですがなにか?
でえと、でえと、伊織さんとデート。
デートの約束を取り付けると、私は鼻歌交じりで自分のゲストルームに戻った。
なにせ交際0日で結婚が決まったおかげで、デートなんて行く機会がなかった。
毎日、花嫁修業と結婚式の準備に明け暮れている私にとって、デートの約束があるだけで日々の生活に張り合いがでてくるというものだ。
(早く2週間経たないかなあ……)
一日千秋の思いでワクワクしながら招待券を眺めていると、突然携帯が着信を知らせる。
ディスプレイには所属する“オフィスJJ”の社長――陣内純子の名前が表記されていた。
「ごめん月子!!」
「え!?」
電話をとるなり社長が平謝りしてくるので、一体何事かと詳しい説明を求めた。
実は……と社長が電話してきた経緯を話すにつれて、雲行きが怪しくなっていく。
……主に私の都合の悪い方向に。