相思相愛ですがなにか?
(ずっと俺が好きだったって……?)
俺がどれだけその言葉を聞きたかったのか、彼女は知らない。
好きの一言が聞きたくて俺は7か月もの間、ずっと右往左往していたのだ。
……けれど、それももう終わりだ。
ありったけの想いをぶつけるように、キスが徐々に深いものになっていくのはやむを得ないことだった。
「い、おりさん……?」
俺にされるがままになって息も絶え絶えだった月子ちゃんを力の限りぎゅうっと抱きしめる。
「ごめんね、月子ちゃん」
本当はもっと早くこうしていれば良かったんだ。
くだらない策略で無理やり結婚させようとしなくても、手の届く場所に彼女はいたのに、愛を得るために心を伝える努力を怠るなんて、とんだ傲慢だ。
「俺も君を愛している」
……心の底から。全身全霊で。
そう言うと月子ちゃんは破顔して、俺の胸に顔をうずめたのだった。
愛している。
もう離さない。
婚約指輪をしている左手をとりそっとキスを落とすと、月子ちゃんが微笑みかけてくれる。
俺の腕の中で満足げにうっとりと蕩けている彼女を見て、真実を話す勇気が湧いてくる。