極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

ハッとしてソファから勢いよく立ち上がった。
寝室を出て階段を駆け足で下りていく。
すると、途中まで行ったところでパジャマ姿の貴行が上ってくるではないか。
足を止めた陽奈子のところまで、ぴょんとひと飛びにやって来た。


「大丈夫ですか?」


顔色は悪そうに見えないけれど。
思わずそう聞いた陽奈子に、貴行は不思議そうな顔を向ける。


「大丈夫って?」
「その、つまり……」


なかなか寝室に来ないからと言えば、待っていたと間違いなく思われるだろう。

(それじゃまるで、私が〝したくてたまらない〟みたいよね)

うまく説明できずに言葉を探していると、貴行が陽奈子の頭をポンと撫でた。


「今日は疲れただろから、ゆっくり休みな。俺は書斎で寝るから」
「……え?」

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