極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

結婚して初めての夜に貴行が隣にいないベッドは、これまで感じた経験がないほどに寂しかった。
それはつまり……。

(そうか。私、貴行さんを好きなんだ)

政略結婚という冠が邪魔して、その想いを無意識に封印してきたのかもしれない。
素直に認めてみれば、しっくりと収まりがいいと気づいた。


「陽奈子ちゃんがその気になったらって言われたのなら、抱いてくださいって正直に言ったらいい」
「む、無理です! そんなの絶対に言えませんっ!!」


椅子の背もたれに大きくのけ反り、必死にアピールする。

あまりにもサラッと大胆発言をされて驚いた。
〝抱いてください〟なんて、恥ずかしすぎて絶対に無理だ。


「どうして? 夫婦なんだから言えるだろ?」


大和は男だからそう言えるのだ。
でも陽奈子には一生かけても言えない。首を激しく横に振った。

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