極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「月島社長!」
岡崎がもう一度呼び止める声は、貴行の耳には届かないようだった。
ホテルのエントランスに横づけされた車に乗り込み、貴行と並んで座る。
「貴行さん、ありがとうございました」
「陽奈子が席を立った後にアイツも立ったから、なんとなく気になって迎えにいってみれば、ってところだ」
貴行が来なかったら、もっとひどいことをされていたかもしれない。
ホテルに連れ込まれたことを思い出して身体に震えが走る。
「大丈夫か?」
貴行に強く肩を抱かれ、取り乱した心が次第に落ち着いていく。
なんにせよ、なにもなかったのだから。
今は、こうして貴行が隣にいる。
「はい。ありがとうございます。……それと、うれしかったです」