極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

「月島社長!」


岡崎がもう一度呼び止める声は、貴行の耳には届かないようだった。


ホテルのエントランスに横づけされた車に乗り込み、貴行と並んで座る。


「貴行さん、ありがとうございました」
「陽奈子が席を立った後にアイツも立ったから、なんとなく気になって迎えにいってみれば、ってところだ」


貴行が来なかったら、もっとひどいことをされていたかもしれない。
ホテルに連れ込まれたことを思い出して身体に震えが走る。


「大丈夫か?」


貴行に強く肩を抱かれ、取り乱した心が次第に落ち着いていく。

なんにせよ、なにもなかったのだから。
今は、こうして貴行が隣にいる。


「はい。ありがとうございます。……それと、うれしかったです」

< 194 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop