極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
自分で言っておきながら、相当恥ずかしい。陽奈子がしていたのは、まさしく誘惑だ。
「つまり陽奈子も、俺を好きってことでいいんだな」
気持ちを伝えるなら今だと意気込んだくせに、決まりが悪くてまともに顔を見られない。
「……たぶんそうだと思います」
「たぶんだと?」
貴行が不満そうに聞き返す。
「よし。そう言っていられないようにしてやる」
「えっ? ――きゃっ!」
一瞬のうちに視界が反転し、陽奈子の目に車の天井が映る。シートに押し倒されたのだ。
「ま、待って、貴行さん!」
思わず両手をつっかえ棒のようにして貴行の胸に押しあてる。
(ここでするの!? いくら運転席との間が仕切られているからって……!)