極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「陽奈子のあの姿に、俺が冷静でいられたと思ってるのか」
毛布がはらりと落ちたときこそ驚いていた様子だったが、そのあとは普通となんら変わらなかった。
(『そんな格好でいたら風邪ひくぞ』って。『じゃ』って、何食わぬ顔をして部屋を出ていったよね?)
それを冷静と言わずして、なんと言うのか。
陽奈子は力強くうなずいた。
「そんなわけないだろ。あれが夜だったら、即押し倒してた」
「……本当に?」
つい念押しすると、貴行はその目をぐっと細めた。
「誘っているように見られるのが嫌だとか言っておきながら、いったいどういうつもりだ」
意地悪な顔なのにやけにドキッとさせられる。
「それは……貴行さんが全然触れてくれないからであって……」