極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
陽奈子が目を白黒させるのを見て、貴行はさらに楽しげだ。
「人を動物や昆虫みたいに言わないでくださいっ」
思わず声を荒げたため、静かなレストラン内のお客から視線を集めてしまった。急いで方々へ目礼で謝罪する。
「あ、いいところを突くな。観察日記でもつけるか」
テーブルに身を乗りだし、意地悪に目を細めた。
それはさすがにひどい。
「きっと、貴行さんの周りには私のような人はいらっしゃらないんでしょうね」
悔しさから、つい自虐的になる。
「そうだな、俺の周りにいるのは陽奈子とは正反対の人間ばかりだ」
つまり、簡単に人を信用したりしないから騙されないし、世間知らずのおめでたい人間ではないということだ。