極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「……は、話なら、もう十分だと思います」
軽い口ゲンカとも言わなくない。
「悪いけど、俺はまだ足らないんでね。付き合ってもらうよ」
笑みを滲ませながらも強い視線が陽奈子に注がれる。
有無を言わせない態度だった。
「そのかわり、なにか食べたいものがあれば、なんでも頼むといい」
おいしいもので釣ろういう魂胆らしい。
言い合いをしているうちにふたりのテーブルには、色とりどりの地中海料理が所狭しと並んでいた。コース料理を頼んだわけではなかったようだ。
いい匂いに誘われて、お腹がキュルルと鳴る。なんてゲンキンな胃袋だろう。
「これだけあれば十分です」
陽奈子はあっさりと釣り上げられてしまった。