極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「誰かしらね」
首を傾げながら立ち上がった未恵が玄関へ向かう。
早速、ツキシマ海運に連絡でもするのか、豊も未恵を追ってリビングを出ていった。
「陽奈は相変わらず人が好いんだから。会ったこともないような男と本当に結婚するつもりなの?」
ふたりきりになるのを見計らったように萌々が口を開く。
「人が好いって褒め言葉じゃないんだってよ?」
つい別なところに反応すると、萌々は「はぁ」と重いため息をついた。
「やあねぇ、そんなのあたり前じゃない」
「おねえちゃん、知ってたの?」
もしや知っていて当然だったのか。知らぬは本人ばかりというやつだろうか。
陽奈子が目をパチクリとさせていると、萌々は呆れた目で見つめ返した。