極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
豊はまだ納得がいかないようで、気難しそうに眉をひそめた。
「私は本当に平気」
これもまた運命。それに身を任せるのもいい気がする。
そもそもろくに恋愛経験もないのだ。そんな自分を嫁にもらってくれるというのだから、ありがたく受けよう。
しかも大企業の御曹司。
……年齢がどうかはさておくけれど。
安全な道ばかり選んできた陽奈子の、初めての一か八かの勝負ともいえる選択だった。
「それじゃ、その方向で話を進めていいんだな?」
「これでお父さんが負った借金は帳消しになるんでしょう?」
豊の確認に、確認で返す。
「ああ。ツキシマ海運が肩代わりをしてくれる」
「よかった。結婚の話、よろしくお願いします」
陽奈子が頭を下げたところで、家のチャイムが鳴る。来客のようだ。