さぁ、このくそったれな世界にさよならを。

あたしは第三者の視点から見たらさぞや不幸だっただろう。
父親に虐待を受け、母親に棄てられ、最愛の妹は殺された。
優しい老夫婦に引き取られた時にはあたしは人じゃなくなっていた。
もっと早く妹と一緒にあの夫婦に引き取られていたらきっと幸せになれただろうなぁ。
そんなことを思いながらあたしはあたしを取り囲む警察を見渡す。
世間を騒がした連続殺人の犯人として指名手配され、呆気なく追い詰められた。
元々逃げ切るつもりはなかったし、あいつらを皆殺しに出来たからどうでもいいんだけど。
それに十年前の警察の無能ぶりは週刊誌に送ったし、今だって絶賛中継中。
あたしの復讐は終わり。
あたしの人生は終わり。
でも、捕まって罪を償ってなんてやらない。
償う気なんかこれっぽっちもない。
あの時、あたし達を助けてくれなかったこいつらなんかにあたしの命をやるもんか。
「あたしはあたしの大切な半身を奪った奴等に復讐しただけ!それの何が悪い!?あの日、あんたらはあたし達を助けてくれなかった!助けてくれていたら妹は死ななかったかもしれない。あたしは自分の人生をかけなかったかもしれない。ねぇ、何もしなかった役立たず共がどの面下げてあたしを捕まえるの?どの面下げてあたしに死ぬな、罪を償えって言うの?あの日、あたしはもう死んでるんだよ。今さらあたしの人生にしゃしゃり出てくんじゃねえよ!!!」
叫ぶ。
ほら、ハイエナ共。
もっとあたしを撮れ。
拡散しろ。
あたしは哀れだろう?
同情すべき存在だろう?
誰が悪かなんて比べなくても分かるだろう?
銃口をこめかみに向ける。
警察が息をのむ。
平和ボケした日本でなかなか味わえないんじゃないか。
良かったな、次の糧にしてくれよ。
何てな。
「お前らなんかにくれてやるもんは一つもねえんだよ、ばぁーか。」
響く銃声。
ぐらりと体が後ろに傾き、あたしはその場に崩れ落ちた。
最期に見たのは泣きたくなるほどに綺麗な空色だった。



< 4 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop