彼女を10日でオトします
「どうしたの?」

 立ち上がったキョンが、跳び箱から顔を出して小首を傾げる。

 は、反則!! その頭傾き30°はいけないですって、お嬢さん。赤頭巾ちゃんが狼に食べられちゃったのって、絶対可愛いハテナ? のせいだって!!
 がぶっていきたくなるもん、これ。

「き、キョンちゃん、とりあえず、こう、頭を元に戻そうか」

 バレーボール大の物を持つ仕草で手を斜めに傾け、それをくいっと垂直に戻すこと3回。俺の必死のジェスチャー。

 キョンは、そんな俺の懸命な気持ちを逆なでするように、さらに角度がつく。

 勘弁してくれえ。
 俺の理性クンは、ちょっと欠陥品なのよ。すーぐにヒューズが飛んじゃうんだから。

「たすくさん?」

 ああ、もう。だから、俺が悪かったから。何が悪かったかよくわからないけど、とにかく、悪かった!!
 だから、その仕草はやめて……。

 クラクラする頭を掻き毟って、空洞に戻る。もちろん足どりはおぼつかない。

 立ったまま(ついでに俺も勃っちゃいそう)上目遣いで、俺の返答を待つキョンを目の前にして、甘かったはずのカラメルソースの暗闇は、ほろ苦いと思い知った。

 というか、このカラメルソース、ちょっと焦がしすぎじゃない?
 
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