彼女を10日でオトします
「はあ。キョンちゃん……、俺にも限界ってものがあるのよ。わかる?」

 訝しげに眉が寄るのを見計らって、キョンを抱き上げる。

「な、何するのよ!! 下ろしなさ――」

「キョーン、大声出すと誰か来ちゃうよ。俺にとっては、こういうところ見られるのって既成事実できちゃったってことで嬉しいんだけど、ね」

「ちょっと!! どこ触ってるのよ!? 変態!!」

 どうもキョンは、おしりの下にある俺の手が気に食わないみたい。

「ん? 触ってるんじゃなくて、支えてるの」

「どこが違うのよ!!」

「まあ、目的が違うわな」

 いわゆる、だっこ、の状態から、俺はマットの上に胡坐。その胡坐の上にキョンを下ろして、だっこ続行。

「……離しなさい」

 怒りの全てを閉じ込めました、と豪語するような低い声。

 ぞくぞくするねえ。キョンの顔が俺の頭の横にくるように、後頭部を手で固定しちゃってる、声がダイレクトに耳に入る。

「いい加減にしなさいよ」

 えー。やだ。
 俺にとっては、この密着した体勢が『良い加減』なんだけどねえ。どうしてわかってくれないのかしら?

 まだまだ、時間はたーっぷりあるのよ、キョンちゃん。

「退屈に待つより、楽しみながら待つほうが得じゃない」

「私にとっては全然楽しくないわよ。寧ろ最低よ!!」

 あー、『最低』の記録、更新しました。
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