彼女を10日でオトします
「ねえ、キョンって将来何になりたいとかってある?」

「は? 何よ、それ。だいたい、今はそんな、のほほんとお茶啜って話す様なこと――」

 今だ怒り収まらず、ってかんじのキョンちゃん。話題変えてもダメなのね。

「もう、諦めなって。どんなに怒っても離す気ないしぃ。ま、キョンちゃんがちゅーのひとつでもしてくれたら離してやってもいいけど」

「何なのよ、その無茶な交換条件は。私に何もメリットが無いじゃない。
はあぁ……じゃあいいわよ、このままで」

 そこで深い溜め息つくのはやめようよ。
 確かに、無理矢理だっこしてるんだけど、たっしー傷つくじゃないの。

「このまま大人しくしてたら、この場でキス、されなくて済むものね」

 ふん、と鼻を鳴らしながら付け足したキョンの言葉に俺の『あわよくば』は打ち砕かれた。

 や、やっちゃった……。俺としたことが、こんな最高のシチュエーションでキスひとつもできないようにもってきちゃった。

 これで不意打ちとかしたら、キョンちゃん今度こそ許してくれなそうだし……。
 ふぬう……、キョン、なかなか手ごわい。

「たすくさんはあるの?」

「んー?」

「将来の夢。……無さそうよね。訊いても無駄かしら」

「んまっ、しっつれいしちゃう。あーるーよ。どう転んでも、あるね」
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