彼女を10日でオトします
キョンは、俺の腕の中にすっぽり納まって、俺のしょうもない話に耳を傾け、素直とも皮肉ともとれるコメントを返す。
キョンは、俺のことをどう思っているのだろう。
嫌い? 実はそうでもない? 寧ろ好き? だったら、ライク? ラブ?
人を好きになることが、こんなに疑問だらけだとは思わなかった。
今までだってね、俺、恋愛してたんだよ。ちゃんと好きだった。
たくさんの女の子と付き合ってきたけど、疑問なんてわかなかった。
好き、だからキスする。キスすれば、その延長で体を重ねる。体を重ねれば、もっと好きになる。
今まで、恋愛は足し算だった。
女の子の好きという気持ちと俺の好きという気持ちを足して、足して、その答えが、まあ、その、諸々、大人の行為ってやつ?
知りたいなんて思わなかった。知りたいと思わなくても、女の子の方から教えてくれた。
というか、偏見だったのかな。
女の子って、『知ってほしい、わかってほしい』って願ってる生き物だと思ってた。
だけど、変なんだ。
キョンとは、大人の行為どころか、キッスだってしてないのよ、実際。
なのに、顔を合わせるたび、うーん、顔合わせなくても頭の中はキョンでいっぱい。どんどん大きくなっていく。
いつか俺の頭がパンクしちゃうんじゃないかって、ヒヤヒヤしてるくらい。
キョンに悪いなって思って(こんなこと思うのも初めて)、今までの女の子に断りを入れてるけど、これ正解。
最初はね、本当に、キョンに対しての罪悪感だったのよ。
でも、今は違う。
余裕がないの。他の女の子を相手できるほど、俺の心、余ってない。
それでも、まだ足りない。
もっと、もっと。
もっと、キョンのこと、知りたい。