彼女を10日でオトします
 キョンの上半身を素早く九十度回転させて、仕切りの跳び箱の側面に押し付ける。
 いやあ、いいね。この角度。ちょっと背中を反らせるみたいなこのかんじ。

 上段になるほど小さくなる木枠が、女の子をこんなに魅惑的にみせるとは。盲点だったわ。

 うんうん。いい具合に上半身に体重が乗っかって、体も重ねやすいしい。

「な、何するのよ!! どきなさい」

 嫌よ。

 キョンは、俺を剥がそうと奮闘してるけど、ダメダメ、そんな力じゃ。
 だいたい、その細腕で俺を押し返そうと思うほうが間違ってるのよ。

「いいね、跳び箱プレイ。俺の膝までの距離を考慮したって、女の子の方もこの角度、楽できもちいいんじゃない? 反る感じでさ。俺もイジってあげられるし、ね?」

「な、何が、『ね?』よ!! 意味不明なこと言ってんじゃないわよ。訊きたいのは――」

「そうそう、お礼ね。チュウでいいぜえ」

「馬鹿なこと言ってないで、ち、ちょっと!! どこに手いれてんのよ!!」

 どこって? キョンの足すべすべだあ。

「変態!! いい加減にしなさい!! 第一お礼は求めるものじゃないでしょうが」

 うん、正しい。キョンの言い分は、正しいぜ。

「俺ね、善意って大っ嫌いなの。シホンシュギ? 違うか。
とにかく、見返りって素敵よね」

 なんてね。

「サイッテー!!」

 うお!! 

 瞬間、俺の上半身に押さえつけられて綺麗にたたまれていた腕に力が入ったのがわかった。
 そして、キョンの小さなが拳がミゾオチにめりこむ。

「うっ……」

 堪らず上半身を起きあげると、その隙にキョンは逃げ出した。

「ホント、最低な男!! 変態!!」

 誰よ、キョンに人体の急所教えたやつ!! 出てきなさい!!
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