彼女を10日でオトします
 門を出ると、ヒデさんは口を開いた。

「あ。むこうの高校までは送るからさ、そこからは頼むよ。
ごめんね。琴実が気になるから、さ」

「いいわ。でも、どうすればいいかしら」

 門から右に出て、バス亭の前は素通り。柵に沿うように歩き出す。

「第一の目的は、まず、のどかちゃん。のどかちゃんに話を聞く」

「ええ。それはわかるわ」

「第二は、たすくの行きそうな場所に先回りする。あいつは、一晩、策を練ってからじゃないと行動に出ない奴だから、間に合うことは間に合うはずだ」
 
 たすくさんの行きそうな場所……。

「その為に、鈴広のある男に会って一部始終話して欲しいんだ。その場所に行くに当たって、俺より、そいつの方が都合がいい」

「ある男?」

「荒木薫。名前覚えて。
そいつ、金髪で目が青いし、ピアスがえげつないから一目でわかるよ」

 げ。不良の手本みたいな人じゃない。
 そんな人に、話通じるかしら……。

「ああ、そうか。薫は生徒会やってるらしいから、先に薫に会った方が手っ取り早いかもしれないな」

「せ、生徒会!?」

 そんな人が生徒会なんて……鈴広高校って一体どんな学校なのかしら。

「とにかく。まずは薫に会って。
それと……生徒会長には注意した方がいい。いろんな意味で有名な奴だから」

 いろんな意味って……どんな意味よ。
 生徒会に、金髪の不良がいるくらいだから、きっと生徒会長もとんでもない男に違いないわ。

 荒木薫、荒木薫……。忘れないようにしなくちゃ。

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