彼女を10日でオトします
「ねぇ、キョンの悪口言わないでくれる? キョンは、なぁんにも悪くないんだから」

 これも変なの。何故かキョンのこと庇ってる。

 女の子には平等にって、俺のポリシーに反してない?

 さくらちゃんは、すごく居心地悪そうに、俯いた。
 うーん、これってまずいような。

 でも、どうしても、フォローを入れる気分になれなかった。
 そのかわりに、
「じゃあね、さくらちゃん。またね」
って、笑顔で。

 そして、俺は教室を飛び出した。

 階段なんか3段飛ばしで駆け降りる。もうね、すっごいスピード。

 すれ違う女の子のスカートが「きゃ」って、絶景になっちゃうくらい。……ちょっと大袈裟だけど。
 
 階段を全部駆け降りて、1階の廊下を走ってる途中、「何でこんなに必死なんだろう」って思いが脳裏をかすめる。

 だって俺、今、女の子追い掛けてるわけでしょ? 端から見たら、すっごい情けない姿だよねぇ。

 でも、これは追いかけっこって、自分を納得させて、さらに床を蹴る力を強めた。

 見ぃつけた。キョンは下駄箱から黒いローファーを取り出しているところだった。

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