彼女を10日でオトします
 一応、念押し。

「まあ、逃げたかったらどうぞ。俺にしてみたら、そっちの方がオイシイし」

 最後に熟れた耳にキスをして、キョンの体を倒れない位置に戻してから解放。

 キョンが動かない事を確認。俺は上靴を下駄箱に入れ、代わりに革靴を手にとる。それを玄関のタイルに、ぱこんと落として足を入れた。

「キョーン。お待たせ」

 爪先をトントンしながら、俯くキョンの顔を覗き込む。
 キョンは、悔しそうに唇を噛んでいた。

 そそるねぇ。わかってその顔してるんだったら、たいしたもんだわ。

 とはいっても、おそらく無意識。だからこそ、余計可愛いんだな。

「最低」

 キョンの唇が微かに動いた。
 うっひょー。すっげぇいい声。ぐっと低くて、ちょっと掠れてて。

「はい」

 モノは試しでキョンの前に手を出してみた。
 もちろん、「手、つながない?」ってお誘い。

 キョンは無表情で俺を一瞥して、外に向かって歩き出す。

 あはは、予想通り。おっもしれぇ。

 早足でキョンの背中を追いかけた。


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