彼女を10日でオトします
 今日ほど、ツギハギだらけのアスファルトに感謝したことはないね。

 電気工事だとか、下水工事だとかでしょっちゅうひっくり返り返されている青梅街道は、大きく車体を揺らす。

 その度に、俺と比べて頭一つ違うキョンは、俺にくっついたり離れたり。

 そんなことくらいで一喜一憂している俺は、ヤキが回ったとしか思えない。

 ベッドの中で素肌を密着させているわけでもないのに、ふわぁっとした感覚に陥る。

 うーん。違うなぁ。ベッドの中での直接的な快感とは別物。

 香水じゃない、もっと柔らかい……そう、シャンプー。
 シャンプーの香りがバスの揺れに合わせてキョンからかおる。

 こう、甘酸っぱいような、くすぐったいような。

 もどかしいのに、嫌な感じがしないのは、なんでなんだろ?

 疼くように沸き上がった、もっとこうしていたい、という願いは叶わず、高円寺駅に着いてしまった。

 仕方なく緩めた腕から、キョンがするりと抜け出た瞬間。俺の胸は、ズキンと痛んだ。

< 67 / 380 >

この作品をシェア

pagetop