後輩はレンタル彼氏
地下鉄の階段で。
リョウ「奈帆!」
立ち止まり、振り返る奈帆。
その奈帆へゆっくりと歩み寄る。
リョウ「次も必ず俺を頼んでよ。次こそはちゃんと恋人の雰囲気を出してみせるから」
奈帆「リョウ……」
リョウ「だから、奈帆も次に頼む時はスキンシップの条件を見直してほしい」
スキンシップの条件。
それは手を繋ぐ以降の項目にNOをつけていた。
奈帆(見直すって……)
手を重ねられてハッとする。
雰囲気が悪くなって、駅まで帰るときは繋がなかった手。
奈帆は何も言えなくなってうつむく。
リョウ「俺は奈帆を抱きしめたい」
重ねられた手は今一度握り締められて離された。
リョウ「じゃ」
恥ずかしすぎて、去っていく彼を見ることはできなかった。
奈帆の脳裏に『ラブスイート』の恋人の条件項目が思い出される。
手を繋ぐの次のスキンシップは『ハグをする』だった。


