ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)
「お前の気持ちも分かるけど、それは俺や羽瀬がお膳立てしてやることじゃなくて、三神が三神自身で責任を取るべきことだろ、もう高2なんだから。俺の授業サボんなら俺の授業の価値に見合う行動しろとは思うけどな。その辺機会があったら三神に伝えといて」


志谷先生は珍しく真面目なトーンだった。


確かに志谷先生の言葉には説得力があって、私は思わず頷いてしまう。


普段はルーズで適当だから、こういう時に揺るぎがないのは狡い。


ちょっと見直しました、なんて言ったら、やっぱり嫌そうな顔をされるのだろうか。


「まぁ居ないと班決めできないから、篠宮の班が許すなら入れといてやれ。別に6人になってもいいから」


「それなら、今私と斉藤さん含めて3人班なので大丈夫だと思います」


「……お前ら四六時中一緒かよ仲良いな」


呆れたように言う志谷先生は、そういえば、と続けた。


「補習の方はどうなってる?」


「ぎりぎり間に合うかどうか、という感じですね……。遠足行けなかったら篠宮くんが号泣しそうです」


「え、羽瀬もそれ信じてんの」


「はい?」


驚いた顔をする志谷先生に、私も鏡写しのように表情が変わる。


信じるも何も、そのために今まで勉強会をしてきたはずだ。


テストに受からないと遠足に行けない篠宮くんが可哀想で勉強を教えることになって、それに三神くんが手を挙げて、それからみっちり放課後勉強して……。


まさか。
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