ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)
「遠足、あんまり楽しみじゃないですか?」


ずっと気になっていた。


篠宮くんはことあるごとに遠足遠足と口にしていたけれど、三神くんの口から遠足という言葉が出たことはない。


勉強会だって、留年が嫌だからとしか言っていなかったし、遠足に行けるようにしようね、という言葉にも微笑みを返しただけだった。


もしかして、と考えれば考えるほど辻褄があって、三神くんに確かめずにはいられなかった。


「なんで?」


三神くんが聞き返す。


「ホームルームにもいなかったから。志谷先生も心配してたよ」


「んなアホな」


「サボるなら付加価値を付けなさいって言ってた」


「それ日本語?」


「日本語ですが」


「そういえばさいいんちょー」


三神くんは話題を変えるように話を切り出した。


話逸らさないで、と言うと、三神くんの瞳がほんの一瞬だけ、私の瞳を射抜く。


「……俺が遠足に行かないのって、あんたに関係あんの?」
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