ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)
「俺はさぁ、教師っていうのは生徒の見本になるべきだと思うんだ。それがどうよ。率先して嘘ついてんじゃねぇか」
「世の中の嘘全部が善悪判断つくと思ってんなら早々に改めた方がいいぞ」
「自分のついた嘘は正当だって言いたいのかよ」
「別に。お前、もうちょっと黙れ。……そもそもなんでお前が隣なんだ。教員の横は空席だったろ」
「1人席がいいと思って移動したらあんたが居たんだよ!」
それはなんというか、気の毒にとしか言い様がない。
そう思っていたら、横で和香ちゃんが同じことを呟いた。
「気の毒……」
「俺が気の毒だわ。帰りは三神の隣行けよ」
言ったっきり、志谷先生は居眠りの姿勢に入ってしまう。
確かに、志谷先生の嘘を知った時は私も酷いと思った。
けれどテストをするということは、その分志谷先生の仕事も増えるということで。
実際、テスト用紙は志谷先生が問題集から難易度で選別して、再編集したものだった。
それでもふたりにテストを受けさせたのは、勉強させなければという教師としての気持ちがあったんじゃないだろうか。
あのテストがあったから、篠宮くんも三神くんも、ある程度授業が理解できるようになったみたいだし、損をしたわけじゃないと思うのだけれど。
もしかして、と思って私は篠宮くんに話しかける。
「世の中の嘘全部が善悪判断つくと思ってんなら早々に改めた方がいいぞ」
「自分のついた嘘は正当だって言いたいのかよ」
「別に。お前、もうちょっと黙れ。……そもそもなんでお前が隣なんだ。教員の横は空席だったろ」
「1人席がいいと思って移動したらあんたが居たんだよ!」
それはなんというか、気の毒にとしか言い様がない。
そう思っていたら、横で和香ちゃんが同じことを呟いた。
「気の毒……」
「俺が気の毒だわ。帰りは三神の隣行けよ」
言ったっきり、志谷先生は居眠りの姿勢に入ってしまう。
確かに、志谷先生の嘘を知った時は私も酷いと思った。
けれどテストをするということは、その分志谷先生の仕事も増えるということで。
実際、テスト用紙は志谷先生が問題集から難易度で選別して、再編集したものだった。
それでもふたりにテストを受けさせたのは、勉強させなければという教師としての気持ちがあったんじゃないだろうか。
あのテストがあったから、篠宮くんも三神くんも、ある程度授業が理解できるようになったみたいだし、損をしたわけじゃないと思うのだけれど。
もしかして、と思って私は篠宮くんに話しかける。